全体の有効求人倍率
住みやすい都市ランキングで世界7位になったこともある福岡ですが、ここではそんな福岡の有効求人倍率を含めた転職事情について紹介していきます。厚生労働省福岡労働局の調査によると、2017年3月の段階での有効求人倍率は1.41倍となっています。全国平均は1.45倍ほどなので、それと比べると若干低めとなります。とはいえ、九州・沖縄地方というくくりでみると、熊本県の1.54倍に次ぐ高さです。他の都道府県の有効求人倍率をみると、やはり東京都が圧倒的に高く2.06倍となります。
上記はパートなどの雇用形態を含めた総合的な数字ですが、正社員に絞ってみてみると0.91倍で1倍を下回っています。以前よりも改善してはいますが、それでも1倍を下回っているというのが現状です。全国的に見ても正社員の有効求人倍率は1倍を下回っており、全国平均では0.94倍となっています。1倍を超えているのは東京都(1.30倍)や愛知県(1.32倍)、京都、大阪(どちらも1.01倍)など、全都道府県の4分の1程度となっており、日本全体としてのさらなる景気回復が望まれるところです。
職種ごとの情勢
では、雇用情勢について職種ごとにみていくとどうでしょうか。厚生労働省福岡労働局の調査によると、2017年3月の時点で有効求人倍率が最も高いのが「建築躯体工事」となっています。いわゆるとび工や鉄筋工、型枠大工などになりますが、有効倍率はなんと8.41倍という高い数字となっています。次に高いのは「包装」で5.66倍、「医師・薬剤師等」が4.80倍、警察や自衛官などの「保安職」が4.44倍となっています。また、高齢化の影響もあり介護職の有効求人倍率も高くなっています。飲食も高く、多くの企業や事業所で人材を求めていることがわかります。以下に参考となるデータを紹介しますので、ぜひご覧ください。
- 福岡地域:バランスシート
- こちらは職業別の有効求人・求職状況がのっているバランスシートで、これをみても建設、介護、飲食関連の有効求人倍率が高いことがわかります。
地域によっても異なる
福岡のなかでも地域によって事情は異なり、福岡市であれば商業施設が集中していて、北九州市であれば工業施設が多く、他にも農業や水産業が盛んな地域などもあり、それに伴って雇用状況も違います。福岡県は福岡市を含む「福岡地域」、北九州を含む「北九州地域」、久留米市を含む「筑後地域」、そして「筑豊地域」の4つに分けることができます。福岡地域の有効求人倍率は1.63倍、北九州地域は1.35倍、筑後地域は1.42倍、筑豊地域は1.25倍となっており、地理的・経済的特性から有効求人倍率に違いがでてきます。